SUPER FORMULA NEXT ”1/50” にこだわってみるブログ

日本のトップフォーミュラを観に行こう!

SF に追い風か逆風か。24年春に東京・湾岸エリアでフォーミュラE開催へ

 Yahoo!ニュースより転載:市街地コースで開催されるフォーミュラE(米ニューヨーク、日産自動車

”10月4日、東京都とフォーミュラE運営団体が、2024年春に東京・湾岸エリアでフォーミュラE開催で合意、開催に向けた協定を結んだ。開催場所は江東区東京ビッグサイト周辺を周回するコースを想定し、今後は東京都が警視庁など関係機関と調整する。東京都は30年までに、都内で販売される全ての新車の乗用車を「脱ガソリン車」とする目標を掲げており、レースの開催をEV移行の起爆剤にしたい考えだ。”

 

長かった公道レース開催までの道のり

もう 40年以上前のこと。中学・高校生だった私にとってモナコGP は足腰が丈夫なうちに(苦笑)一度は行ってみたい三大レースのひとつでした。そして『日本でも公道レースをやってくれないかな』とずっと思っていました。当時の F1 は欧州のクラシックサーキットが主流で公道レースはモナコを除くと、アメリカ西海岸では公道を封鎖したロングビーチGP だけでした(アメリカでは東西で2つの GP が開催されていました)。

ここ数年の F1 をみていると時代は驚くほど変わったなぁとしみじみと感じます。いまは資金難でクラシックサーキットでの F1 開催が危惧される時代になりました。スパやモンツァといったレガシーなクローズドサーキットよりも、欧州・アジア・中近東・アメリカでの公道レースがどんどん増えています。F1ドライバーの中には『レガシーサーキットでのレースがどんどん消滅して、公道レースばかり増えるのはアンバランスで良くない』と言うひともいるぐらいです。

私が日本の事情が変わるかも!と感じたのが、レッドブルイベント「Red Bull Showrun Tokyo」(2019年3月9日)で F1 が神宮外苑を走ったときでした。

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でもこれは「F1」ということで特別かなとも思っていました。ところが翌年の日本GPがコロナの影響で中止になり、代替イベントとして神宮外苑で行われたレッドブルイベント「Red Bull Race Day」(2021年12月19日)を走る SUPER GT/SF/MotoGP を見て、『日本でも公道レースができるかも・・・』と感じました。そう期待した人も多かったのでは?と思います。

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そういう意味で、『公道レースを解禁するならいまでしょ!?』というなら、脱炭素=フォーミュラEのビッグウェーブに乗ってしまうのもありかなと思います。

 

既存の国内全カテゴリーのプレシーズンとぶつかる「東京・春開催」はかなりチャレンジングかもしれない

インディカー・シリーズなど、アメリカでは公道を利用したレース開催の経験が豊富だと思います。オーガナイザーも経験豊富でしょう。F1 マイアミGP などは、インディから F1 にカテゴリーが変わるだけで、レースオーガナイズには何も障壁がなさそうに思います。

 

一方そういった経験が皆無に近い日本では、フォーミュラEの運営団体がどこまでスタッフを抱えているのかにもよりますが、かなりの障壁、さらに主催者の努力が必要と感じます。

まず、トップフォーミュラ用にクローズサーキットを設置・運営した経験者がまるでないことです。ただこれはリードタイムが2年もありますから、運営団体と主催者が一緒に準備をしていけば何とかなるだろうと思います。おそらくこれから大会までに「デモラン」的なイベントも行うでしょう。

何とかならないのでは?と、一番気になるのが「人材が足りるのか?」という点です。春といえば国内全カテゴリーが開幕直前で、多くのチームがそれぞれのテストやプレシーズン準備で大忙しの時と思います。スーパーフォーミュラにスーパーGT(耐久)、全日本オートバイレース、そして実は驚くほど活況なアマチュアレースや参加型イベントの数々など、春はサーキットもガレージもスポンサーもメーカーも大忙しと思います。その中で一番人材が不足するのが「サーキットスタッフ」ではないかなと思います。

そういう繁忙期に、フォーミュラEの現場スタッフをどこから招集しようと考えているのでしょうか? クローズドサーキットで経験が豊富なコースマーシャルでも恐らく公道レース特有のトレーニングが必要と思います。ピットロードやパドック周辺で働くスタッフも大勢必要です。しかも国際格式のレースですから、安全・公正な大会運営には英語でのコミュニケーション能力はマストと思います。

そういう人材育成に東京都はお金を出すつもりでしょうか? 東京都がレース開催のノウハウを持っているとは考えられないので、どう考えているのか大いに疑問です。『SDGsです、はい、東京も、日本も脱炭素に向けてやりますから、モースポ関係の業界から人材を出してください』と要請するのでしょうか? それともそういった点は考えておらず、やっぱり「丸投げ」なのでしょうか。

 

SF にとって政治家と「意識高い系」という逆風がちょっと心配

脱炭素、実は大人はよく事情を理解しています。物事は絶対にオーバーナイトで白黒つかないことを。一夜にして脱炭素生活(社会)なんてできません。ところが政治家のひとや「意識高い系」のひとはやればできるとちょっと強引だったりします。私も「やればできる」という考え方が大好きです。でもレガシーな社会インフラはそう簡単にはいきません。

時代は変わり、いまでは小学校の社会科で SDGs のことを学習しています。大人はおとなの言い訳や世の中の事情を察しつつ、バランスを取りながら SDGs を推進していますが、学校で学ぶ子どもたちはもっとピュアでしっかりしています(笑)。『やればできる、やらないからできない』と 100%前向きです。

最近驚いたことのひとつが、生まれたときからすでに自家用車が EV や PHV で、今までにそれしか乗ったことがないという小学生がかなり増えているということです。生まれたときから、脱炭素と電気自動車に慣れ親しんでいるということです。

学校で SDGs を学び、家のクルマは EV/PHV で、東京都は『エコで環境にやさしいフォーミュラE』を猛プッシュする。その中で ”内燃機関でいかに環境にやさしいレースをやるか” という取り組みが理解されるのかちょっと気になります。『SF?F1? エコじゃないしうるさいし、時代遅れでしょ?私の夢はフォーミュラEのレーサーになること』という子どものほうが増えるときもやってくるかしれません。

 

内燃機関の鼓動が好きだけどやっぱり観てみたいかな

よく、F1ドライバーが『フォーミュラワンとフォーミュラEは似て非なるもの』とコメントしますが、私も同感です。どちらが格が上とかそういう議論ではなく「別モノ」だと思います。

私はやっぱり内燃機関の音と鼓動が好きです。なんであれを聞くとドキドキ、興奮するのかというと、きっと人間の心臓の鼓動と似ているからではないかな思うのです。モーター音はそういう意味で違うんですね。

でも都市で行うモーターレーシングの可能性や未来は感じてみたい。遠路はるばる富士やもてぎまで足を運んで感じるあのワクワク感があるのか? やっぱり都会で開催されるだけにエンタテインメント性重視なのか。理屈ではなく、フォーミュラEを観に行って良かったか、楽しかったか。それを感じにはぜひ行きたいですね。